今日はドール画像はありません。
撮影予定の子はあったのですが…。
nosce te ipsum 「汝自身を知れ」の鏡と真鍮彫金オブジェOPERA 。
いずれも伊豫田晃一氏 (@locus_solus)の作品です。
(続き)
カーテンの隙間から差し込む朝の光を見て、
カメラを向けました。
場所は先日、葵木空を撮った窓際の木箱の上。
鏡の上に置けば、真鍮のオブジェが水に浮かんだような
不思議な場面になると考えたからですが、
鏡像の文様にまで焦点を合わせるのは難しく、
顕微鏡でプレパラートの中を初めて覗き込んだ
小学生の気持ちを思い出しました。
スライドグラスとカバーグラスの間に、どれだけの深度があるのか…
折り重なった藻類の中で見え隠れする
小さな生き物を見つけたあの感じです。
ここからは最初の画像と同じ、西日の輝きの中で撮影しました。
彫金された文様が強い光の中で際立ちます。
光が強ければ強いほど黒い影も美しく、
アラベスクの生み出す眩暈に似た感覚がたっぷり味わえます。
空間をびっしり埋め尽くすものに惹かれる
この感情は何なのでしょうか。
雨の日が続いた後の木肌に咲く苔の様子にも
同じような感覚を抱きます。
一般に悪い苔として嫌われているらしいゼニゴケですらこの美しさ。
息を呑みます。
(私が、ただ悪趣味なだけかもしれませんが…)
これはモッコウバラ(木香薔薇)なのでしょうか…。
したでるみちに いでたつをとめ
花の種類も色も異なりますが、家持の歌の下の句が浮かびました。
光を受けている無数の花弁と枝の下に折り重なる緑の影が
私の目を引き付けて止みません。